第3章  農業は生き残れるか

 これまで、さまざま市町村を見てきたが、それぞれが独自の事業展開を行なっている。「農村マーケット化」「農業の観光化」は農村の場を有効に活用して、生産も、加工も、販売(レストランも含む)も行ない、農村の人たちの心をも提供する活動である。そして、各市町村は、大きな成果をあげているのは2章を見ると分かる。藤沢町においては、年間売上は22億円を超えているし、阿山町でも、22億9000万にものぼっている(図 モクモクの総売上・従業員・会員の推移 参照)寒河江市も、観光客数は165万人を超え、総売上は17億円に及ぶ.。勝沼町においても観光客数は、160万人に及んでいる(図 勝沼町年間観光客数 参照)このように数字の上の成果だけでなく、これらの市町村のあげた成果は大きい.産業を確立させ、集客力を飛躍的に向上させ、農村人の農業に取組む意識をも向上させた。しかしこの中でも、農村人の意識を向上させたことはノットも大きな成果と考える。「農村マーケット化」「農業の観光化」というシステムにとってこれは大きな重要性を持つと私は考えるからである.にじみ出る人間性(あたたかみのある心)が訪れるひとたちに打つものを大きくしているし、会話を通じて生産物の作り方や作る場面が描き出され、生産物が良く理解できる。そこには、コミュニケーションを通した作る人と買う人の相互理解にもとづく興味の増幅があり、これらの事業の成否をにぎる集客の増加と財布のひもの開かせに何が重要かを示しているのである。これらの結果により農業の未来は明るいと私は考える。しかし、それは作り手の努力と工夫があってのものなのだが・・.

参考文献
    
長谷山俊郎 「農村楽園を作り出す『館ヶ森アーク牧場』」
塚田章二郎・長谷山俊郎編著 「中山間地農業の活路」 川辺書林
長谷山俊郎 「農村マーケット化とは何か」 農林統計協会 
伊勢志摩編集室 「モクモクの挑戦」―とんとん拍子の創造的農村産業の実践禄―      
         伊勢志摩編集室
工藤順一・平井隆 「観光農業は感動のドラマ」

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